ファンド漂流記

PEファンドで働いてます。M&A、PMI、経営、マーケティングなど仕事の話から趣味まで色々と

LBOファイナンスについて

仕事の話を少し。

PEファンドにいるとバイアウト時に使う一般的な手法ですが、ちょっと思うこともあり書いてみようかと。

 

LBOは要は買収時にPEがエクイティでお金入れて、LBOレンダーに事業会社のキャッシュフローを返済原資にして借入をして、レバレッジかけて買収する手法ですね。

主に大手銀行、証券会社等がLBOレンダーとなることが多いですが、最近は地銀、信金などもレンダーとなることもあります。

 

詳しくはGCA FASの作成している資料に記載しているので、概要がつかめると思います。

https://gcafas.com/jp/wp-content/uploads/2015/09/fasnews_13.pdf

*1

 

このLBOですが、買収する側としては主なメリットは自己資金のみでやるよりIRRの向上が見込まれることと、ノンリコースなので買収する側としてはリスクは出資額のみになる点ですかね。バリューアップが上手くいっているとなかなかいい手法なんです。

 

ただ、すべてが上手くいくとは限らず、レバレッジかけすぎていたり、対象会社の経営状況が悪くなると苦しい状況になります。

要は借入金が多く返済額が大きく返済が厳しくなる。コベナンツの制約で投資など経営上の制限がされていたり。といったことでいったん歯車が狂うとどんどん深みにはまっていくわけです。

まぁそうなってくるとレンダーとの交渉ですが、レンダーもいきなりコベナンツ抵触して、即返済してとは言ってくることはないけど、ちゃんとした今後のストーリーがないと納得はしないのでこの交渉は大変になるわけです。またLPにレンダーがいたりすることもあるので、その場合さらに複雑になるわけです。

ファンドがなかなかEXIT出来ていないものは、こんな感じのことになっていることがあったりします。まぁバリューアップ出来てなければ売れないわけで。

 

最近は、買収価格が高騰しているので高値掴みが多くなっているのと、銀行は割と貸し場所を探している状況で、割と出してくれるのでレバレッジが効いてしまいます。

市況が悪くなった時にどこのファンドも銀行対応に追われるようになるんだろうなと。こうなると事業会社側も対応に追われて余計に経営にダメージが来たりするわけで。

景気に左右される業界なので、高値掴みしないようにしないと。

 

 

ちなみにLBOの本はあまりなくて、日本のLBOファイナンスという本が概要掴むにはいいですね。

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こちらはLBOファイナンスというよりM&Aファイナンスに関する実務書です。

必要な項目が網羅されているのでおすすめです。

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*1:GCA FAS News September 2015 Vol.13

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